大多喜南無道場 妙厳寺

日誌

時事の事

日常の事柄を踏まえて住職が語ります

 いよいよ夏本番も間近です。寒い時は一義的には衣服を多くまとえばそれで何とかしのげますが、暑さは裸になる以外なく、あとは文明の利器・クーラーに頼るしかないのです。しかし私達日本人の主食になっている稲作にとって、夏の暑さは稲に実が入るためには必要不可欠な条件です。それこそ冷害にでもなったら、かっていろいろな国々から米を買い漁った騒動の再来です。
一見私達にとって不都合と思われることが本当は大切なことであったり、あの時のあの辛い経験がなかったら、今の自分はないだろう等ということは人生において沢山あると思います。
「等正覚(とうしょうがく)を成(じょう)じて広く衆生を度(ど)すること、皆、提婆達多(だいばだった)が 善(ぜん)知識(ちしき)に因るが故なり」(妙法蓮華経提婆達多品第十二)
お釈迦さまご自身が悟りを得て、ひろく衆生がイキイキ逞しく生き切っていく仏法という救いの道を示すことが出来ようになったのも、すべて提婆達多という善い友人のおかげなのだと言われているのです。善知識=最高の善き友とは、「人生をどう生きなければならないかという大問題に眼を開かせてくれる友」です。それは親愛な友人の相をとらず、かえって憎々しい反抗者や競争相手などの形をとって現れることもあります。その時、嫌悪感や忌避する気持ちを転じて自分を磨き、高めるために仏さまが下さった大事なご縁、試練と受けとめられたら、相手はかけがえのない善き友人となります。お釈迦さまにとっては提婆達多が正にその人であったのです。
 提婆達多という人は、お釈迦さまのいとこであり、頭脳も優秀で才能もありながら、我欲が強く、名声を得たいという野心家でした。そのため、お釈迦さまに代わって教団運営をしようといろいろな策略を巡らし、、お釈迦を亡き者にしようと画策した人です。それでもお釈迦さまは提婆達多を善知識(善き友人)と位置づけておられるのです。
お釈迦さまにとっては提婆達多という反面教師がいたからこそ、 自分のなかにある傲慢さや我欲の愚かしさに気づき、悟りを得ることができた。それに気がつかなければお釈迦さま自身がその過ちを犯したかも知れないということを、提婆達多に教えられたわけです。
 私たちは生きていくなかでは、自分への悪意や敵意しか感じられないような人と出会うこともあります。しかし、お釈迦さまのように相手を善知識と拝むことができたなら、そうした人たちが実は大切なことを教えてくれるお師匠さまになります。お師匠さまと拝みきることができてこそ、のちに「あの人がいたからこそ、今の私があるのだ」と思って相手に感謝し、自分の成長を喜ぶことができるでしょう。
吉川英治氏の言葉を以て今号の締めくくりとします「我、以外みなわが師」。さてそれ自身は悪でも善でもない新型コロナウイルスは師として、一体私達に何を教えてくれようというのでしょうか?

行事日誌

2020(令和二年)年

3月20日 春季彼岸会中日法要

本明寺は午前九時から、妙勧寺は午前十一時から、妙厳寺は午後一時からそれぞれ法要が営まれました。新型コロナ感染拡大防止のこともあり檀信徒は限られた役員が中心に法要に参列、ご先祖並びに志す霊に報恩・感謝の読経・唱題による誠を捧げました。また妙厳寺では法要の後、ご宝前に於いて住職から今年四月から新たに総代・世話人になる方に委嘱状が、退任される方には記念品が手交されました。

中止 東京国際仏教塾第一回修行

例年、日本の精神・文化の基盤となっている仏教を体系的、体験的に学ぼうという趣旨で開設されて来た東京国際仏教塾の第一回修行ですが、これもコロナ禍により今年は残念ながら中止となりました。これに伴い毎年十一月~来る年三月まで開催されていた日蓮宗専門コースも全面的に中止となりました。ご承知下さい。

中止 西畑組信行会

毎年恒例の西畑組信行会ですが、これもこの度のコロナ騒動にて延期のやむなきに至りました。来年の企画を楽しみにして下さい。

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