大多喜南無道場 妙厳寺

日誌

時事の事

日常の事柄を踏まえて住職が語ります

 目に見え見えないけれど確かにある実存的真実(真理・法・妙法)を人格化して「法身」呼びます。このことは万有引力に例えてみるとよく解るのではないでしょうか?引力は十七世紀にイギリスの物理学者ニュートンが発見する以前から実在しています。存在しながら誰にもわからなかったのです。発見者のニュートンは人間ですから有限な存在ですが、引力は永遠に在り続けている科学的真理です。
但し、お釈迦さまとニュートンの異なりは科学的真理の発見ではなく、宇宙と人生に通ずる真理(妙法)をさとった点にあります。発見もさとりも、それまでは誰にも知られずに存在していた事実を、はじめて見出す意味においては同じです。但し、発見は主として自分より外側に見出すことですが、「さとり」は自分の内側に会得して、人生といのちの営みの真実をうなずきとる、つまり自分の中に内在する宇宙的永遠性に気づくところに違いがあります。
いずれにしてもこの万有引力のことは法華経寿量品(自我偈)の「永遠のいのち」を理解するのに格好の例話と思われます。引力というのはニュートンが発見したわけですが、ニュートンが発見してもしなくても万有引力は存在していたわけです。そして、ニュートンが死んだのちも存在しています。つまり永遠に実在し続けている=これを専門的には「久遠に実成している、つづめて久遠実成」と言っているわけです。
有名な自我偈・冒頭のフレーズが示す久遠実成の本師釈迦牟尼仏のイメージはこの万有引力のようなものであると言えます。私たちはお釈迦さまというとインドに生まれインドでなくなられたお釈迦さまを考えがちです。確かに法華経以前の思想ではそうなのですが、この法華経で説かれるお釈迦さまはインドに生まれインドでなくなられたお釈迦さまにとどまらない、永遠のいのちを持った「久遠に実成」したお釈迦さまなのです。

 法華経の教えは持ち難く、信じがたい。これまでの経験に基づき、現状を楽しみ、喜び、執着し、その偏狭な世界でかりそめの安住を求める人たちにとってお釈迦さまのことばが届くのは容易ではないと言われています。仮に届いたとしても、人はこれまでの経験・言語習慣に従って理解してしまうので誤解を招きかねないのです。 その辺のところを私たちがよく読む法華経見宝塔品の偈で「此経ハ持ツコト難シ」と言っています。一切の執着対象を捨て去り、覚りの境地である涅槃を得るためには約二千年にわたって多くの人々に読まれ、親しまれて来た「法華経」に対する一念の信が先ずもって重要になりそうです。その信じ難く、持つこと難いという難問を突破していく大きな手がかりになるのが「以信代慧」です。「信を以もって慧に代える」と訓読みします。これは信の一念をもってあらゆる智慧の修行に代えるということです。そこにこそ仏法の一切の修行とその功徳が具わっていることを明かしてくれているのです。
 「虚仮の一念岩をも通す」という言葉もあります。愚かな者でも一念の信を持ってひたむきに行えば大きな仕事が出来るとの意味です。たわいもない水の滴りが岩をも穿っていく、つまり雨だれが落ち続けることで固い岩にも穴を開けていくことが出来ます。一見、無駄に思える事も愚直に行い続ければやがて大きな実を結ぶという教訓です。
 法華経の基本理念は「一切衆生 悉有仏性」です。すべての生きとし生けるものは悉く仏性、すなわちそれぞれにかけがえのないいのち(個性、持ち味)を持って生まれて来ているということです。ちょっと詩的に表現すれば「人、みなに美しき花あり」ということになります。皆、それぞれにかけがえのないいのちを仏・神・ご本仏から授かってこの世に何らかの使命・役割(個性・持ち味・特質・長所)を持って生まれてきた、あらしめられた存在です。比較できない、代理のきかない存在、それぞれに特性を持った美しい花なのです。それは私たち一人一人が皆、仏子・仏使であるとの自覚を持つことでもあります。 仏性をもともと内在している私たちは仏教の根本たる法華経を承知できる潜在能力が既に備わっていると言っていいでしょう。その能力を開発する手続きが「一念の信を持って行ずる唱題修行」です。
 「信の一念」(お題目)という鍵を持ちさえすれば法華経の教えはそんなに持ち難くないのです。

元NASAの宇宙飛行士・航空宇宙工学コンサルント、リ・ロイ・チャオ氏の言葉を紹介します。「私は約二三〇日もの長い時間を宇宙で過ごすという貴重な体験をしました。地球はとても美しく、特に宇宙からの眺めは本当に素晴らしいものでした。その美しさは特別で、宇宙にいる間、時間があればいつでも地球を見て写真を撮っていたほどです。このように美しく、素晴らしい地球が何らの意志なく偶然に出来たとはとても思えません。宇宙飛行士という仕事は、私に美しい地球を見せてくれただけでなく、環境を守っていくことがどれほど大切かということを考えさせてくれました。私たちは、この美しい地球を守っていかなければなりません」。この宇宙飛行士のコメントから、私達いきとしいけるモノは何時の世にも仏さまと共にあり、そのご本仏は常に私たちを見つめ、慈しみ、気づかせ、ご自身と同じ心境にしたいと慮ってくれていることを感じ取っていただければ幸いです。
 私たちが法華経・題目に出会うということ、法華経・題目との縁を結ぶということは、はるかな過去から現在にいたるまで数えきれないほど何度も何度も教化、つまり教えを聞いていたということです。つまり下種=種を埋め込まれていたからだと言うことも出来ます。ご本仏は決して私たちを見放さないのです。ご本仏は何時も私たちのことをご自身と同じ心境にしたいと願ってくれているのです。
 お題目・南無妙法蓮華経を唱えることでみな仏さまに愛でられ、仏さまのみ心、み手の中に奇跡的に生きている、そのことが認識出来ると宗祖は言っておられるのです。成仏を妨げる頑迷な自我意識を少しでも取り除き、仏になる心境を開いていただくためには仏教が有史以来提供しているプラクティス・唱題と言った伝統的行法がそういったありのままの事実を「そうだ!」と感じ、受けとめてもらうためにとても有効のようです。人生の岐路で本当に判断に迷い、身の処し方に迷ったら本仏=南無妙法蓮華経と一体となる「お題目」をひたすらに唱えることで内なる本仏に率直に聞いてみることが肝要です。

行事日誌

2018(平成30)年

1月1日 除夜の鐘・新年祝祷会並びに新春特別祈願

午前零時、住職の第一鐘と共に「明けましておめでとうございます!!」の挨拶を交わし、続いて参詣の皆さんが梵鐘を撞きました。午後二時より新年祝祷会並びに新春特別祈願を一緒に行い、お釈迦様、日蓮聖人、皆様のご先祖に新年のご挨拶と一年の健康、それぞれの方の特別祈願を行いました。 節分厄除け祈願も一緒に行いました。昨年来の正月行事の改善により、お陰で元旦に大勢の方々がご参列・お参りされました。その後、何時も通り客殿にてみなさんとお屠蘇をかわして新年を寿ぎました。

3月21日 春季彼岸会中日法要

少々雨気味、大方曇りといったお天気状況でしたが、本明寺は午前九時から、妙勧寺は午前十一時から、妙厳寺は午後二時からそれぞれ法要が営まれました。農繁期を直前にして何かと気ぜわしい中、大勢の檀信徒が参詣され、ご先祖並びに志す霊に報恩・感謝の読経・唱題とご回向を捧げました。また法要の前後には住職からむさぼり・怒り・愚痴を超える道について法話がありました。

4月21日~23日(A組)・5月3日~5日(B組) 東京国際仏教塾第一回修行

今年も日本の精神・文化の基盤となっている仏教を体系的、体験的に学ぼうという趣旨で開設されている東京国際仏教塾の第一回修行が妙厳寺にて開催されましたA・B組の二回に分かれ四十数名が来寺、二泊三日間、法話を聞いたり、行法、作務、仏法に則った食作法等に汗を流しました。

6月10日 西畑組信行会

今年の西畑組信行会は例年通り妙厳寺において僧侶であり、医師でもある千葉大学付属病院の竹内公一先生より「医療の限界・社会の力~認知機能低下 を怖れない~」と言うテーマのお話を伺いました。その後、昼食を挟んで本堂において唱題行を行じ、心身共に浄められる体験をしました。ご参加の檀信徒のみなさん、お疲れさまでした!

8月4日~5日 夏休み山寺留学

最初に竹切り倒して、箸づくりをし、記念撮影後、地元の妙厳寺の檀家の方が栽培してくれた野菜収穫(ジャガイモ)をしました。本堂で食事=「いのちをいたいだく」についての法話を聞き、夕食を食べました。瞑想・法話=「ご馳走さまでした!の意味」の後、花火大会をして入浴・就寝。翌二日目は先ずお堂で朝のお勤めをし、朝食後オリジナルの腕輪念珠作りをしました。野外ゲームをして、昼食後の閉会式ではその念珠に魂入れの祈願を行いました。
昨年同様JR品川駅より送迎バスが用意されました。参加者は十五名ほどでしたが、夏休みの僅かな一時、心の育つ、未来に役立つ野外体験・学習が出来たと思われます。
 今年も檀家の皆さんのお力添えで子供達は野菜を収穫する喜びを味合うことが出来ました。作付けや管理、農作物が出来る過程を説明して下さった山口 清総代さん、野菜作りに精を出して下さったお檀家の有志のみなさん本当に有難うございました。

8月13日~15日 お盆棚経廻り

お盆の三日間、住職、法拳、法靖、法盛、法典が檀信徒各家の精霊棚にお寺から伺って読経・唱題のご供養を行いました。在宅の方と一緒にお参りし、お題目を唱え、お焼香をしてご先祖への供養の誠を捧げました。

8月16日 盂蘭盆施餓鬼会法要

本明寺は午前十一時、妙勧寺は午後一時より執り行いました。共に先祖の追善供養を行い、特に本年新盆のお檀家は親族・縁者が沢山お参りくださり、新御霊に供養の誠を捧げました。

8月24日 妙厳寺・盂蘭盆大施餓鬼会法要

  台風余波の中、大施餓鬼会法要がおこなわれました。僧侶・檀信徒共に亡きみ魂への報恩感謝の法要を執り行ない、法要終了後には、恒例の新盆を中心とした十五各御霊への諷誦文(法華経や日蓮聖人のご文章の要文)奉読とその施主を読み上げる法会が行われ、今年は副住職も半分担当しました。

9月23日 秋季彼岸会中日法要

  妙勧寺は午前十一時より、妙厳寺は午後二時より法話・法要が行われました。次々と命を繋いで、田畑を耕し、豊かな土地を継承して来てくれたおのおのご先祖のみ魂に感謝の思いを捧げ、塔婆供養を捧げました。

10月2日 平沢鬼子母尊神秋祭り

 年に一度の霊験あらたかな平沢地区ご守護神・鬼子母尊神さまのお開帳。御輿を鬼子母神堂前に飾って法楽加持と集まった檀信徒のお払いを行い、お寺の客殿において子供たちがお囃子を披露。平沢区民の皆さんも神酒をいただきながら歓談し、コミュニケーションを深めました。来年からはどういう方法であれ、御輿が平沢中を行き来するようにしようとの意見が多数でした。住職からも「平沢区の御守護神としてお祀りした歴史を思うと渡御しないのは尊神様に申し訳ない」との言葉があり、軽トラの荷台にお乗せして渡御するのもこの時代ありかと思われます。

10月28日 平沢地区稲荷幣束入れ

 法靖・法典・法盛の三名が平沢中の檀家にくまなく伺い、お稲荷さんの新しい幣束をお供えして今年の収穫に感謝の気持ちを捧げ、あわせてご一家の繁栄とご家族の無事息災を祈念いたしました。

11月10日~11日 仏教塾専門過程始まる!

 日本の精神・文化の基盤である仏教を体系的体験的に学ぶ趣旨で開設されている国際東京仏教塾の後期・専門コース(日蓮・法華部門)が妙厳寺で始まりました。来年三月まで月一回のペースで開催されます。今年は男性二名、女性一名合計三名の塾生が参加しています。

11月23日 日蓮聖人七百三十七遠忌報恩法要お会式

 午後一時より日蓮聖人の七百三十七遠忌報恩法要お会式を行いました。練習を積み重ねている妙厳寺、妙光寺、本迹寺の和讃会の皆さんが法要中、奉唱をしてくれました。午後二時より、女子東音会の皆さんによる長唄三味線の演奏が行われ、雅な音色を楽しみました。その後はボーイスカウトの万灯練供養が行われ、続いて客殿で祝宴がありました。

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