時事の言
 
  わたしがわたしになるために!
 
  私たちは生きていくなかで、自分への悪意や敵意しか感じられないような人と出会うこともあります。しかし、お釈迦さまがご自身に敵対した提婆達多を善知識(よき友)として拝んだように、そうした人たちが実は大切なことを教えてくれるお師匠さまになります。お師匠さまと拝みきることができてこそ、のちに「あの人がいたからこそ今の私があるのだ」と思って相手に感謝し、合掌して自分の成長を喜ぶことができるでしょう。
をさはるみさんという詩人の作品に左記のような詩がありましたので紹介します。
私が私になるために
人生の失敗も必要でした 
無駄な苦心も 骨折りも 悲しみも
みんな 必要でした
私が私になれた今
すべてあなたのおかげです
恩人たちに手を合わせ
ありがとうございますとひとりごと
確かに自分の苦しみと他の楽とを比べたりすると「どうして私だけが!」と悩んだりします。苦しい時は素直に苦しみ、痛い時は痛さになりきる。するといつもとは違う何かが見えてくるはずです。逆境に出会ったお陰でトントン拍子の時には解らなかった人生の真実の価値を知ることが出来るかもしれません。ある作家は「雨の日は雨の日を愛し、風の日は風の日を愛す」と言い、 昔の人は「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」等と言っています。すべて逃げてはダメで、苦難に自ら立ち向かう姿勢が大事なのでしょう。仏教詩人の坂村真民さんは「病が私の目を開いてくれた」と言っています。苦は楽の種と言う時の苦は因(原因)楽は果(結果)です。苦という因も自分中心の身勝手な考え方を改めるなら楽の結果が得られると言うことでしょう。例えば病苦ならその病の原因が自分のそれまでの心得違い、生き方の誤りにあったかもしれないのです。そのことに気づかせてもらえたとしたら病苦は大切な楽の種ということになるでしょう。吉川英治氏の下記の言葉を以て今号の締めくくりとします
「我、以外みなわが師」
そう受けとめて 合掌・合掌!
2017/07
 
 大多喜南無道場 妙厳寺 http://myogonji.jp/